生活保護者でも入れる老人ホームってある?生活保護受け入れ可能な介護施設

「先が不安で老人ホームに入りたいと思っているけど、生活保護受給者でも入れるかなぁ」

「有料老人ホームはいろいろあるけどプライバシーも守りたいし、体が自由に動けなくなった時,

どうなるのか心配なんだよね」

高齢者になった今、このような悩みを抱えている方は意外と多いのかもしれません。

さらに生活保護受給者ということで不安を拭えないでいる方達に、今回は生活保護受給者でも入居できる有料老人ホームがあることを解説していきます。

生活保護でも入れるの?老人ホームの選び方

生活保護受給者の方でも老人ホームには入れます。

ただし人気の高い施設(特養)は待機者が多いので時間がかかります。民間施設は特養に比べると月額費用が高くなりますが、生活保護受給者の方も入居ができるので、どのような種類があるのか調べてみましょうう。

入居しやすくなったのは、2011年度の厚生労働省の改正により生活保護受給者でも個室ユニットに入れる制度を導入したことによります。

そのためプライバシーの確保ができて、個室が増えてきているので以前より選びやすくなっています。

生活保護受給受け入れホームを選ぶ

高齢の方達には年金の受取額が少なく、中には生活保護を利用しなければならないという方がいます。そして生活保護受給者となると老人ホームに入居できなくなると思ってしまう方も少なくありません。

そのような不安を払拭するために、生活保護を受けている方でも入居できる施設の解説していきます。

生活保護受給受け入れ可能な施設のタイプ

生活保護受給者でも入居できる主な施設のタイプは、公共施設の特別養護老人ホームの特養、民間施設では介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅です。

施設の情報を知っておくことで探しやすくなります。

それでは簡単に紹介していきます。

・特別養護老人ホーム(特養)

国や自治体から補助を受けていて入居時の個人負担が少ない施設、さらに費用の負担が少なくて済むので人気が高い施設です。

65歳以上で要介護3以上の方が対象で、要介護1・2の方は特別な事情のある方が対象です。

費用相場

入居費用 0円
月額費用 6~15万円

・有料老人ホーム

民間施設で特養より少々入居費用は上がります。しかし生活保護受給者は介護サービスを扶助で賄うことができます。

民営運営なので医療関連と娯楽設備が整っている高級感ある施設や、利用しやすい安価な施設まで運営しているので選びやすくなっています。

しかしその中でも生活保護受給者を受け入れない施設があるため確認しながら選びましょう。

費用相場

入居費用 0~数千万円
月額費用 15~35万円

・グループホーム

認知症の方のための少人数制の集団生活を行う施設です。65歳以上で要支援2以上方から入居できます。

自立した生活を目指すため少人数制で家事などが役割分担制です。

またコミュニケーションを通して、穏やかに過ごせるよう生活のサポートを受けられる施設です。

注意点としてこの施設は入居する方の住民票が施設の所在地と同じでなければいけないため、違う地域に住民票がある方は移管手続きか必要となります。

費用相場

入居費用 0~数百万円
月額費用 15~30万円

・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

高齢者向けの賃貸住宅で、施設はバリアフリーで生活しやすく、安心して暮らせる施設です。

ほとんどのサ高住では入居一時金は必要なく、敷金が必要となります。

60歳以上の高齢者と60歳未満の要介護認定を受けた方が対象です。

費用相場

入居費用 数十万円
月額費用 5~30万円

サ高住は一般型と介護型のタイプ別となります。

一般型は自立した生活を送るための施設ということで、介護サービスは外部を利用することが条件になります。ただ身体が悪化して要介護度が高くなった場合は退去の可能性があります。

介護型は要介護度が高い方も入居が可能です。介護サービスを利用するときは施設在住のスタッフから受けられます。

民間施設で生活保護受給者の入居に関しては自治体の条件を受けた施設に限られます。人数制限もあるので希望する施設はどうなのか確認しましょう。

以上4施設が生活保護受給者の方でも相談ができて入居しやすくなっています。また入居してからも在宅に近い状態になるように考えましょう。

個室があるタイプがおすすめ

生活保護受給者だからといって個室に入れないのではと考えてしまいそうですが、老人ホームは個室もあるので安心してください。

ユニット個室では一人一人のスペースが確立されプライベートの確保ができています。ユニットごとに施設スタッフが担当しているので安心して生活していけます。

またリビングスペースが設けられているので在宅の時と同じ雰囲気で過ごせます。

厚生労働省が定める特養の生活施設は、今までは従来型の多床室が多く1部屋に4人で生活するためプライベートを確保しにくい部屋でした。

現在はユニット型の個室が増えているためプライベートが確保しやすく気持ち良く過ごせることでしょう。

生活保護受給者が有料老人ホームに入る際にかかる費用は

入居費用はそれぞれの施設により異なりますが、最近は入居一時金が0円という施設も増えてきています。

生活保護受給者の方は月額費用が扶助の範囲内で収まることと、施設側が入居対応しているか、空き部屋があるのかということが確認事項となりますね。

気になる各施設の入居費用と、月額費用の中央値を、LIFULL介護で公表しているので参考にしてください。

初期費用 月額 入居条件
特別養護老人ホーム 0円 6~15万円 要介護3~
介護付き有料老人ホーム 0~数千万円 15~35万円 要介護1~
住宅型有料老人ホーム 0~数千万円 15~35万円 自立~
グループホーム 0~数百万円 15~30万円 要支援2~
サービス付き高齢者向け住宅 0数十万円 10~30万円 自立~
介護老人保健施設 0円 9~20万円 要介護1~
ケアハウス

(軽費老人ホームC型)

0~数百万円 7~20万円 自立~

※LIFULL介護「お役たちガイド」を参考に表を作成

https://kaigo.homes.co.jp/manual/facilities_comment/list/

入居が決定すると支払方法はどのような方法があるのか気になりますね。調べてみると下記の支払い方法があります。

生活保護受給者の入居時に必要な費用と支払方法

  • 全額前払い方式とは平均入居期間と平均余命で算出した金額を全額前払いで納めること
  • 一部前払い方式とは算出した金額の一部を前払いして残りを入居期間中に毎月支払うこと
  • 月払い方式とは毎払いはなく入居期間中に賃料を払い続けること

月払い方式なら入居一時金が0円ということになります。多くの施設で入居一時金が0円方式を採用しているのでまとまったお金がかからないことで入居しやすくなっています。

また毎月必要な月額利用料の内訳は、賃料、食費、施設管理費を合わせた金額です。それには住宅扶助と生活扶助が該当します。

そして生活保護受給者は実際には自己負担はありません。しかし生活扶助の限度額内で施設を探さないといけないので注意しましょう。

生活保護受給者が老人ホームや介護施設を探す方法

ここまでは入居相談ができる施設がどのようなものなのか確認できたと思います。実際にどのようにして行動すればいいのかお伝えします。

居住している市町村のケースワーカー、ケアマネージャー、複数の入居先を提案してくれる相談窓口など活用しましょう。

・ケースワーカー、ケアマネージャーに相談する

福祉事務所のケースワーカーに相談すると入居可能な施設を提案してくれます。その中から条件が合うものを選びましょう。

不動産会社やネット公式サイトで介護専門に詳しいところから資料を取り寄せ検討するとよいですね。

生活保護受給者が施設を探す時の注意点

入居することが決まったら現在の居住地と違う場合は、施設の地域の扶助額を確認しなければなりません。それは自分の住んでいる所とこれから住む所の支給額が違ってくるからです。

なぜ受給額が違うのかは、入居場所の地価が反映しているためです。

例えば東京都の月額費用の平均値24.8万円、中央値20.1万円のところ埼玉県の月額費用の平均値16.3万円、中央値14.8万円です。

東京と隣接している埼玉県との差も大きいことが分かります。

都道府県 平均値 中央値
入居一時金 月額費用 入居一時金 月額費用
東京都 389.0万円 24.5万円 28.0万円 19.7万円
埼玉県 64.1万円 16.3万円 8.2万円 14.8万円
神奈川県 178.2万円 19.3万円 21.0万円 16.3万円
千葉県 93.4万円 16.9万円 14.0万円 15.4万円

参考資料:みんなの介護「全高の老人ホームの相場」を参考に表作成

https://www.minnanokaigo.com/market-price/

※平均値とはデータの合計値をデータの個数で割った値

※中央値とはデータを大きい順、小さい順と並べたときに中央に来る値

入居する自治体の扶助の金額を確認して入居できるか判断していきましょう。

生活保護受給者が施設に入るための手順

最後に生活保護受給者が、施設に入居するために必要な手続きをお伝えします。もし介護認定を受けていないのであれば介護認定を受けてくださいまず自治体に申請をしましょう。

各自治体によって窓口が異なりますが「居宅介護事業所」「地域包括支援センター」「市町村が指定する窓口」で申請手続きをします。

主治医の申請書、介護保険被保険者証、印鑑が必要であり、後日自宅に訪問調査が行われます。申請者本人と家族にヒヤリングがあります。

その後、役所からの認定確定までは、多少の日数が必要となります。結果は郵送でわかります。

要支援1~2、要介護1~5までの認定が出ると介護保険サービスの対象者となります。

地域によって支給限度額が違います。

 

施設を選ぶ際は入居一時金と月額費用を確認しましょう。

なぜなら気に入った施設に入りたくても支給金額が足りなくて入れないことがあるからです。

年金収入があっても生活保護は受給できる

年金収入があっても介護保険サービスや入居費用の支払いが困難になることもあります。生活保護は年金収入があっても受けられるものです。

生活保護受給は年金収入を引いた金額となります。このようなシステムであることを忘れないようにしましょう。

入居の際に必要なこと

入居相談の時は生活保護受給額の明細書提示を求められるので前もって用意しておきましょう。

入居相談を進めていくと、受給金額より費用がかかってしまう施設だったということもあるでしょう。ただその時は「費用の不足分を親族から補ってもらえう施設」「費用の全額を生活保護で賄えるように調整してくれる施設」なのか、そのあたりの判断を決めておいた方がよいでしょう。

老人ホームへの転居は移管手続きを

入居したいと考えていた施設が、現在住んでいる自治体と違う場合もありますが、その時には次の自治体でも引き続き生活保護を受けるために移管手続きをします。

引越し先の福祉事務所に移すことで、引き続き生活保護を受けることができるからです。ただ自治体によっては移り住むことが認めてもらえないこともあるので、自治体に確認をしてみましょう。

まとめ

生活保護を受けている高齢者向け住宅は、いくつかの相談窓口があります。そして入居できる施設もあります。

もし入居先を本格的に進めたい場合は入居者の要望を叶えてあげるために、なるべく早めに行動すると良いでしょう。

そのためにはケースワーカーやケアマネージャー、介護専門サイトからの情報提供など利用して検討してみましょう。